今回ドレスデンは行けるか直前までわりと不透明だったので、特に何も調べず。
たいした知識もない状態で、以前行ったことがあるという友人家族にざっくり説明されるままに回った。
それだけでも、素晴らしい景色だった。
頭の中に描く「ザ・ヨーロッパ」「東欧」という感じ。
ヨーロッパの中世や近世の佇まいがあって、歴史でちょっと触れたことがある!というようなイメージ。
乗り物に心躍るタイプなので、最初に連れて行って貰った
交通博物館がすごーく良かった。
子どもも勿論もの凄い食い付きの良さ。
100年前の列車だとか
今も現役で走っている車(トラバント)
ブリキの代用品だった繊維入り樹脂の車体は「厚紙製」ともいわれ、後期モデルでコストダウンのために紙パルプを混ぜた素材を使っていたというくらい車体が軽く600gだそう。
ベルリンの壁崩壊の時にこの車が東から西へとどんどん入っていったことで話題になったそうだし
その時に東西の経済格差の象徴として笑われたんだとか。
でも、すっごくカワイイですよね!
近年では、やはりそのデザインやシンプルな作りが見なおされてこの車に乗っている人も多いんだとか。
それも、排ガス規制の関係で登録許可を貰わないと街を走れないそうですが、それでもと乗っている愛好家がそれなりにいるんだそう。
聖母教会 Frauenkirche
さて、その交通博物館と同じ並びにあるこの教会。
1945年のドレスデン爆撃で壊滅的な被害を受けたそうだが、2005年に世界中から180億以上の寄付を集め、残った部分を使いながら出来る限り「復元した」建物。
ヨーロッパ最大のジグソーパズルと言われるそうな。
非常に美しい教会でした。
ドレスデンの街はよくみると、壁やら何やらが真っ黒い部分が多い。
これは、その時の空爆で焼け残ったものが黒く残されているのだとか。
日本は木造建築が多かったから、真っ平らに焼けてしまった場所も多いけれど
原爆ドームのように残った建物を戦争のモニュメント的に長く扱っていたようです。
聖母教会からエルベ川の方に向かって歩くとみえる
ブリュールのテラス Bruehl Terrace から眺める建物は黒い部分が非常に目立ちました。
そのテラスを下りると、マイセンに描かれたドレスデンの歴代君主の絵。
ドレスデン君主の行列 Procession of Princes
そこから5分ほど歩くと
ツヴィンガー宮殿
中庭を通っただけですが、非常に美しい。鐘が鳴り響いてましたが、これもマイセンらしい。
ほんの数時間歩いただけですが、ワーグナーを育んだ地!
ゲーテが過ごした、森鴎外が歩いた場所を歩いたというだけでも、当時の音楽や詩、小説がリアルに感じられるのが旅の良いところ。
っていうのも、帰ってきてから知りましたが(笑)
王宮の中庭を抜けて眺めたドレスデンの街
もう一回、とくにクラシックがんがん聴いてから歩いてみたい。
と、同時にその国の持つ特徴的な建物や景色って大事だなと思った。
日本でいうとわかりやすいところで京都、奈良。
何百年の歴史を感じられる場所がある国っていうのはやはり凄いことだし素晴らしいこと。
京都奈良が同じ爆撃を受けたら、木造建築の日本ではほぼ今ある歴史建造物は残っていなかったに違いない。
そして、爆撃に対しての非道さと意味合いを知るにつけ、戦争を終わらせることの難しさに唸る。
今も、シリアの遺跡を破壊している報道などを聞くに心が痛い。
あれは何十年か前の戦争と同じ。
誰が破壊するにしても、壊されなければならなかった理由はない。