夜明けのすべて 夜明け前がいちばん暗い
- 2024.02.20 Tuesday
- 18:54
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映画化の発表があってからこちらも待ちに待っていた作品。
ようやく観た。
前評判からものすごいものがあって、どきどきしながらみましたが
期待にたがわぬ素晴らしい映画。
カラオケ行こ!と同じで、映像から観るか、小説(漫画)から読むか
どちらから入ってももう一方をみたくなるし
どちらも知らなくても面白いし、どちらかを知っていると何倍も美味しい。
パニック障害とPMSという一見するとわからない病気を抱えてしまった男女が
それぞれ挫折を味わい、折り合いをなんとかつけながら転職してきた小さな会社で出会う。
彼らの周りにいる人たちは、声高に何かをいうわけじゃないけど症状がでるとそっと外に連れ出してくれたり
気持ちを落ち着かせようと背中に手を当てたりして気遣う。
この映画ずっと背中に手を当てられて、歩き出すのを見守られているような気持になります。
小説の方が、日常が続いていく、日常を切り取っている感じがする。
映画は、どんなところにもいけるんだよ、居場所はここだけじゃないんだよってもう少しはっきりと背中を押すような感じです。
夜明け前がいちばん暗い
というセリフがでてくる。
学生時代、よく幼馴染たちと夜集まって夜通し話すというようなことがあった。
真夜中の静まり返った家の中で、くだらない話で盛り上がることもあれば
ぽつぽつと話す声を聞きながらうとうとしたり。
次はこんなことをしたい、いいねえなんて目標を真面目に話すこともあれば
翌朝には忘れているようなどうでもいいことを延々語り合ったり。
朝日が昇り、そろそろ家の人が起きてくるねという時間帯になると
じゃあね、またね、バイバーイ!
っていって別れた光景を思い出した。
映画の中で
夜、二人が同じ部屋にいながら別々のものをみたり何かをやっている姿
ベランダに出て陽の光を受けながら微笑む姿
風を受け光を受けながら目を細める姿
バイバイ、またね
その声を受けて前を向く自分や、幼馴染たちの姿が重なる。
どうということはない日常にある気遣いなくいられる空間があること、あったこと
そんな風景を心に一つ持っているだけで、人はまた前進していくことができる。
前へ前へと声を掛け続けなくとも