JUGEMテーマ:読書

 三浦しをん小説の面白さに間違いはない。
5/10から映画公開(WOOD JOB!)ということで、文庫が出ていたので購入し読みました。
映画キャストで、主人公の平野勇気が染谷将太、先輩のヨキが伊藤英明であるという設定が最初から組み込まれた状態で、多分直紀役が長澤まさみであろうという推測の元、この3人が脳内でリアルに動きながら読んでました。
 
いやー、いまから伊藤氏のヨキ役が想像がついちゃって楽しい。
映画の予告からするに、原作よりさらに暑苦しく、無駄にワイルドな山の男なんだろうなーってニヤニヤしながら読んだ。
出てくる村人もみなキャラが立っててイキイキしている。
山の空気、匂い、気温、湿度、四季の美しさも恐ろしさも目の前にみえるようです。

といっても、ワタクシ、マテリアルガールだった人でして、まあ長年住んでいたところは最寄り駅まで徒歩50分だし
コンビニ一つないところでしたが、新興住宅地だったので、人はたくさんいましたw
映画や舞台や本や漫画を愛するギークな人間ですから、ほしい本がすぐ買えないとかなると発狂しちゃうんじゃないか?
っていうくらいには、ひ弱な物質文明人なわけでして。
かつ、その長年住んでいた千葉県は、日本の47都道府県の中で唯一500m以上の山がない県なのです。
だから、近隣の山というと筑波山(by茨城県)まで出かけて行かなければならなかったり。
山をみてこの樹はどうしたとか
山菜が見分けられるとか、キノコと毒キノコの違いがわかるとかそういったことは何もありません。
せいぜい虫が多少平気なくらい。
いまだに山々をみると旅行に来た!と思う位山そのものには実はそんなに縁がない。

にもかかわらず!
主人公の勇気と同じで、山の新鮮な空気を嗅ぐ(本を通してだけど)と
そうそう、これこれって思うし
山の神事やしきたりを大事に
山に入らせてもらっているという意識で林業を行っている神去村の人々の自然や周囲とうまく共存している姿に
わかるー(なにが?)と膝をうっちゃうわけです。
勇気のように携帯の電波も通じないなんてありえねー!って叫びながらも
いざ住むと、楽しく生活できちゃう・・・気もするんだが、甘いか?(笑)

この本の中で、知ってる!この話!って思ったのがヒルが体に吸い付いた時の取り方。
火で炙って落とすってものです。
これはですね、里山レベルでもヒルはいるので小学校の時に理科の時間を使って裏山に山菜をとりに行ったときに
先生が教えてくれた。
ヒルに吸い付かれたら無理やり引きはがすな、吸い口が残って厄介なことになるから。
先生がライターで炙ってとってやるから言えよ、と。
んで、社会人になってからも林業、土木系の仕事をしている高校時代の友人も全く同じことを言ってた。
吸われるのに気付きにくいから、入り込まれないように袖口にはガムテープを巻いたりするんだよ〜っていうのもこの高校時代の友人から聞いておりましたとも(笑)

そして、山の信仰の対象として本の中で語られる神様のオオヤマヅミ様。
これは、オオヤマツミのことだよね。
んで、二人の娘っていうのはコノハナサクヤビメとイワナガヒメがモデルかな。

この自然と一体となった神様が村人や主人公たちの日々の生活に見え隠れする描写のさじ加減が絶妙で好き。
日本の古き良きところってこういうところかな。
もちろん、負の面をみせるところもあって、それは勇気にとっても「余所者扱い」という形ではっきり出てくるんだけど
どうしてそうやって閉鎖的かっていうのもさりげなく描いている。
それでも、この本で語られる神去村は、林業での希少な成功例として描かれているし
主人公の勇気はなんだかんだいって、村に林業に溶け込んで村にとっても貴重な人材だしとまあ、ある意味奇跡が折り重なったファンタジー設定でもあるんだけど、こんな風に新旧が溶け込んで、昔からある良い面を殺さず伸ばしていけたら、日本もまだまだ捨てたもんじゃないよねって思える。

八百万の神を自然と結び付けて敬う意識があるって、結構大きな民族的なアイデンティティかと。
自分の周囲の自然を恐れ、恵みに感謝し、その土地やものを借りる意識で大切にしていく。
神社やお寺へのお参りなんかも、この系譜。
アニミズム的なものが失われているようで、まだ息づいている。
不思議の国ニッポンがここにあるってことをこの本は思い出させてくれます。

映画も面白そうだから早く見てみたい。

 

  • 2017.04.24 Monday
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