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評価:
オダギリジョー,西川美和,香川照之,伊武雅刀,新井浩文,真木よう子,木村祐一,ピエール瀧,田山涼成
バンダイビジュアル
¥ 3,192
(2007-02-23)
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劇場で見ることがかなわず、DVDがでたのでやっとみた。
っていうか2005年9月にこの映画を撮影する情報を仕入れそこから楽しみにしていたのだー。
証拠のblog記事
この映画で重要なモチーフとなったつり橋。
おお。予想通り、津南町の見倉橋で撮影されてました。
ここは祖母と父の出身近く(正確にいう隣町みたいな感じ)
すげー山奥なんですけど、めっちゃ綺麗です。平家の落人伝説がある地域です。
そんでもって去年豪雪で通行止めになった地域にかかります。
祖母は、自宅前で遭難しそうになったことが何度かあるそうで。
父の時代でも冬は靴じゃなくてスキーで通学してたとかで、一度父親とスキーにいったら、うちの父親はコースを外れて整備されていないこぶだらけの崖みたいなところをがんがんすべって、注意されてました・・・
周辺の景色がみられるページをリンクしておきます。
新潟県庁HP
にいがたふるさと応援合戦
とまあ、全然自分が生まれてもいないお国自慢?はここまでとして、映画の感想。
期待にたがわず、見ごたえありました。
兄弟の中にある、複雑な愛情と憎しみ。
じんわり、じんわりフィルムからにじみ出てくる。
演じる兄・香川照之と弟・オダギリジョーの距離のとり方も緊張感を孕んでいてドキドキする。その緊張が低い音を奏でて、何かを予感させる序盤から、お互いの感情の爆発や変化。その受け止め方。演技も脚本も飽きさせない。
香川さん演じる兄が、負けて勝つっていうか・・・弟にとって兄は超えられない存在なんだろうか。
兄弟間にある嫉妬とライバル心といたわりと憧れ。
その父親もまた兄弟間での嫉妬とねたみにさいなまれている二重構造。
都会と地方。
自由業と家業。
兄と弟。
いろんなものを対比させ、それぞれの劣等感をあぶりだす。ぞくっとします。
ラストの笑顔。あの笑顔が目に焼きついてはなれない。
兄は戻ったのか?戻らなかったのか?
この映画は、余白の使い方が秀逸だと思う。
観客につきつける想像の余地の具合が絶妙。
切ろうとして切れない家族の縁。業っていう言葉が浮かんできた。
必見。