久々に映画館で観ました。
最初に言ってしまいますが、DVDでもよかった・・・。
悪くはないけど大画面で観る作品か?といわれるとちょっと首を捻るかなあ。
お話自体はとてもよく出来てます。
自意識と自信過剰でちょっと鼻につく女子高生を主人公に据えて、主人公の成長と話の展開がぴったりとリンクしている爽やかなストーリー。
思い切った作りだったのは
主人公女子がとっても同性からは嫌われやすいキャラクターだったこと。
本人が無自覚な分、罪が重いというかイタさが増しているというか。
夏帆をその主人公に据えたというキャスティングはまってました。
(同性に好かれそうな雰囲気をもった女優さんに演じさせたという意味で。でも裕木奈江に被った。彼女、役柄とマッチしすぎて同性にいたく嫌われてしまった時期がありましたよね。>ポケベルが鳴らなくて。あのギリギリ感一歩手前だったなあ。)
ともさかりえ演じる女性が少々あきれ気味に主人公を評するシーンで、男性陣が
「そうかなあ?」
と疑問を呈していたのですが(かわいいからいいんじゃない、といったスタンス)
これってジェンダーギャップがあるんですかね?
というのも劇中彼女のその過剰さに気付いているのがほとんどが女性で
男性で指摘(しかも別の観点から)したのが、ガレッジセールのゴリ演じる不良高校生(!)だけでした。
一緒に観ていた家人は自分も観客の客観的な視点からだからウザイタイプだな、としか思わなかったけど。といっておりましたが。
男性はみな「可愛いし、歌もうまいし、いいよねえ」という感じだった。
正統派?意地悪役の美少女も登場するのですが、この女の子の方がちょっと親近感沸いちゃったなあ(笑)
特に主人公を目の敵にする理由が明かされた件はかわいそうにすらなっちゃって。
無邪気に人を傷つけてしまう
『可愛くて、自信を持っていて物おじしない』という恵まれているがゆえに人の気持ちまで想像が及ばない(自意識が強すぎるために結局は自分中心にしか考えられなくなってしまう)主人公の鈍感さに、「ああ・・・」とため息をついてしまいました。
よく異性にモテてて、本人としては特に何もしていないのに同性に反感を買ってしまうというタイプにいがちな人かもしれない。
どこかで反感を買うことに気づくと、逆に「女の子らしさ」を故意に殺してサバサバとしたタイプになっていくことが多いんですよね。美人にサバサバしたタイプが多いのは無意識にこういう自衛が働いて、性格形成されているからなんじゃないかな〜。
(「私は男っぽい」と自らいう女性は、実は女っぽい面が大いにあるという矛盾があったりする。まー長年そう思っていると、だんだん芯から性格が男性的になっていったりするものだとは思うが。女優という職業はこの意識があらわされている典型かも。。。)
この主人公みたいに「女の子全開」な無邪気なタイプのほうがその実、打たれ強く性差を意識していない。
その分、自意識から脱却して人のことを思いやれるようになった成長ぶりはキラキラとして眩しいし、とっても可愛いキャラになっていってます。
これは合唱の話で、合唱ってどこか歌の題材やらが滑稽だったり、一生懸命になるあまりにどことなくユーモラスになってしまうのも、本当に真剣にやっていることは、やっぱりとっても美しいし、素晴らしいことなんだよ!っていう讃歌なんだけれども。
観ているときは中学時代のクラス対抗合唱コンクールでの他クラスでの鬼気迫る合唱につい、おののいて笑いが出ちゃった自分、、、なんていうのを思い出して
「ああ、もっと自分も滑稽なくらい真剣にやっておくべきだった・・・かも?」
なんて思ったりしていたのですが
やっぱりこの話は主人公の精神的な成長物語なのだと思うのであります。
私の思い出編☆参考:
芸術家気質2−鬼気迫る合唱コンクール編