バケモノの子 〜子の自立を祝う物語

  • 2015.08.26 Wednesday
  • 13:54
JUGEMテーマ:映画
正直に言うと、サマーウォーズもおおかみこどもの雨と雪もその万能な祖母や母の存在感に
そんなこと言われたって、母性の強さや包容力を美化しすぎじゃー!
中でも、おおかみこども〜は、子育てしているとコレは無理だろうというツッコミが要所要所で頭をもたげてしまいストーリーに入り込めなかった。

今回は同じように子どもの成長、親からの自立の物語を父子という関係性で見せてくれたせいか
その理想像的な父子関係、周囲の主人公を見守る姿勢をファンタジーな部分も含め、素直にみることが出来ました。

上記を含め3本中ですが、私は今回の「バケモノの子」が一番好きです。

素直に、頑張って大きくなれ!と主人公九太(蓮)の成長を応援したくなるお話だった。
同時に、ストレートな親自身の成長話でもある。
熊鉄といつも一緒にいる多々良や百秋坊。
彼らには実の子は誰1人いないが、九太を通して子育てに関わっている。
憎まれ口を叩き、やいのやいの言いながら、九太を心配し励まし、そして彼らも九太の言葉に時に気づきを得ている。
子どもの成長と親の成長のどちらもバランスよく描かれているのがいい。

作品から子どもたちの成長と将来の自立を応援し、祝福する気持ちを登場人物達から痛い程感じて泣けました。
孤独な少年九太が、熊鉄と出会い、他人ながらもきちんと親子関係を築いてまっとうに成長できたことを喜びたい。
そして、世の中のバケモノの子を観る少年少女に同じようにあがいて成長して、親からそして、社会からぽーんと元気に巣立っていって貰いたい。

子ども目線で観ていたであろう、鈴太郎も熊鉄が下した決断のあたりでちょっと泣いたらしい。

映画というのは観ている場面から、自分の感情がリンクして引き出される瞬間が気持ちがよい。

そして、なにより今回はその映像のすばらしさを映画館で存分に堪能できたのも大きいかなぁ。
夜の光やブルーが特にキレイ。
繊細な色合いと動きにホレボレしました。

もう夏休みも終わっちゃっているところもありますが、家族で観るのにオススメです。

監督からの親離れ、子離れへのエールを受け取りにぜひ劇場へ。

チェコ〜クラスナーリパ(Krasna Lipa)

  • 2015.08.26 Wednesday
  • 13:25
JUGEMテーマ:旅行
宿泊地は冬はスキーリゾートになるような場所でした。
車で30分単位で移動して乗馬に行ったり
国立公園に行ったりしたわけですが
ホテル内にもジムやボウリング場がありました。
街は本当にこぢんまりしており、ぱっとみ唯一のホテルの外にあるレストランといった風情のお店が地ビールの醸造所でした。

Krinicky Pivovar

トリップアドバイザーの評価

ビールは殆ど飲めない私でもベルギービールに次いでこれは旨い!と思わず飲んでしまった。
(でも本当に体質に合わないみたいでこの後お腹を下しましたw アジアの屋台でも平気な胃腸もビールには負けるという)
家人は昼からどこへいってもビールを飲みまくっていましたが
ここの地ビールが一番美味しかったと言っています。
買って帰ればよかったんですけどね〜。持ち帰るのが色々と大変で今回断念。
500mlとか750mlとか200円とかなんですよ。
相変わらずビールのうまいところは水の方が高かった。

この醸造所では伝統的なチェコ料理も食べられます。
昼間からハイキングやらサイクリングやらする人たちの憩いの場的な場所になっていました。
英語メニューはない。ドイツ語がわかる店員なら居たw

宿泊先はこの醸造所と目と鼻の先の
Aparthotel Lipa
 Křinické náměstí 1180/7, Krásná Lípa, 407 46, チェコ

隣が国立公園の観光案内所みたいな施設でした。
booking.comのサイトでの写真

食事を作るのも、目の前にアジア系の人たちがやっているらしい小さな雑貨や兼スーパー
(日本で言うとサザエさんにおける三河屋さんみたいな?)が2軒あり、簡単なモノを作るならそこでも充分だった。
ホテル内のレストラン自体、メニューもわりと充実して食べやすい味、そして大変にリーズナブル
(ホテル価格でも日本円で1000円ちょいで充分豪華な食事)だった。

のんびり過ごすにも良さそうな近代的で洗練されたホテル。
友人に頼ってしまったので詳細は不明ですが、ホテルから最寄りの空港(ドイツ・ドレスデンとチェコ・プラハか?)までは
バスを出しているような案内がサイトには書いてありました。
バスで空港まで行くか、空港からレンタカー借りられるならかなり楽しめると思う。

 

戦後70年

  • 2015.08.15 Saturday
  • 08:22
本日は新盆で祖母に会うため、お墓に行くので祖母から聞いた戦争の話を。
何度か書いてますが、祖母は終戦を旧満州の大連で迎えました。

祖父は元々東京電力に勤める技術者だったそうですが、社宅で火事を出してしまい家が全焼。周囲にも迷惑をかけたと居づらくなってしまい、転職せざるを得なくなったとか。
そこで、鹿島建設関連の満鉄に絡む仕事をする土木技術者として一家で満州に渡ったとのこと。

天皇陛下の玉音放送は近所の人と聞いたが、音声が非常に悪く何を言っているのか殆どわからなかった。
けれども、その前から現地の偉い人が一家でいきなりいなくなったり朝鮮の方へ逃げたと聞いていたのでかなり戦況が危ないのではないかと近所の人と話していて、日本が負けたらしいという話が伝わって理解したと言っていた。

戦争が終わったといっても大連まですぐソ連兵が侵攻してきたわけではないので、しばらくは生活もさほど変わらず、使用人としてきてもらっていた中国人夫婦が色々と気を配ってくれた。
食べ物が終戦前から足りなかったので一緒にサツマイモなど野菜を協力して作っていた。のちにこれを売ったり他のものと交換したりしてしのいだと言っていた。

ソ連兵も不可侵条約を破る前までは、子供だった伯母たちを相手に遊んでくれる程気さくで、伯母たちは簡単なロシア語が話せるほど可愛がってもらっていたが、そこは終戦を機に一変してしまい、時々集落を大挙して襲うので、屋根裏や床下に隠れることになった。
これも、襲撃前に祖母は使用人だった中国人夫婦が投げ文で報せてくれて事前にわかっていることが多く見つからずに済んだといっていた。それでも、人が隠れているのではないかと家の中に土足で上がり込んで、軍靴を鳴らし、サーベルを床下や天井に突き刺すので、何度かもうダメかもと思ったそうだ。
祖母はこの経験で、以降旧ソ連の事は大嫌いだといって憚らなかった。
朝鮮半島も、そちらを経由して帰国しようとした知人が随分亡くなった、その亡くなる経緯が悲惨なものが多く、元々戦前からの部落差別と相俟っていい感情を持っていなかった。

祖母は一方で助けてもらった満人(満州にいた中国人)のことは決して悪く言わず、中国残留孤児の事も、満人は良くも悪くもおおらかな人達だから、子供でもある程度は生き残る事が出来たんだ、北の方へいくほど貧しかった筈であの時代他所の子をしかも複雑な感情のある国の子供を育てるなんて日本や朝鮮では真似ができない気質だと言っていた。

これらは祖母の個人的な体験からきている。
なので、偏見に満ち満ちている。
だが、祖母は戦時中に日本人が理由なく満人や朝鮮人を酷い目に遭わせたのも日本人が悲惨な目に遭わされたのもどちらも見聞きしている。
酷い人は何人であろうといるし、戦争になるとみな自分が生きるのに必死で他人の事どころではない。そんな時代二度と嫌だとの言葉は重みがあった。

満州でも祖母は後からみるとわりと恵まれた方だったんだろうとつくづく思う。父は昭和21年12月生まれ、つまり戦後の満州で祖母は父を身籠り産まれた。
そして、昭和22年1月に中国人夫妻が協力してくれたそうで無事引き揚げ船に乗り、一ヶ月かけて帰国。船に乗る前に、祖母は頭を坊主に、顔は黒く炭を塗り男装した状態で祖父と子供3人、一家5人。しかも父は生後一ヶ月で何度も船の中でダメかもと思ったそうだが生きて帰ってきた。

船の中ではおしめを祖母のお腹で乾かし、母乳はよく出たので他所のお子さんにもあげていたそうだ。
それでも毎日死んだ主に子供が海に投げ捨てられた。時にもう親自身が育てられないからと生きたまま投げてしまったのもみたそうだ。

この時祖母は30歳。今の私より若い。

多くの人の苦労と犠牲の上に自分が生きている事を心にとめようとおもいます。

わたしに会うまでの1600キロ  (原題:wild)

  • 2015.08.14 Friday
  • 13:39
JUGEMテーマ:映画



飛行機でみた映画その2。

リースウェザースプーン主演。
原作がベストセラーとなった自伝らしい。
母親の死で、精神のバランスを崩して色々とタガが外れてしまい離婚した女性がアメリカの大自然を1600キロ3ヶ月間かけて踏破する様子を描いたドキュメンタリータッチの作品。
あらすじを言ってしまうとほぼこれだけなんですが、それを知った上で観ても問題ないくらい画面に力のある映画。
主人公の恐怖や疲労感、後悔、懺悔、気力、決意といった色んな感情を疑似体験するようなリアルな空気が全編に行き渡っている。
主人公シェリルを演じるリース・ウィザースプーンはこの作品でもアカデミー主演女優賞にノミネートされたように有名でありながら実際のシェリルのような生々しい感情をみせる演技をしていることが大きい。

と、同時にそのシェリルが人生を踏み外すキッカケとなった母親役を演じたローラ・ダーンがとっても良かった!!
母親の魅力が観客にダイレクトに伝わることこそが、この作品のキモだと思う。
全く予備知識なく観たので、最初は母親と上手くいっていなかった女性なのかなと思いながら観ていました。
子どもの頃のおぼろげな記憶と、不安な出発が絡まり合ってなんとなく恐ろしく感じる冒頭。
けれども、じっくり映画を観ていると
ああ、このお母さんが亡くなったらそれはショックだろうなとエピソードを観る度に
もっと母にこうすれば良かった
あんなことを言わなければ良かった
こういうことを一緒にやりたかった
シェリルの苦悩が少しずつこちらにも降り積もってくる。
自分自身の人生も見えた気がしてしまい、夫や友人が心配したくらいでは立ち直れなかったんだろうなと腑に落ちる。

それらを払いのけるために自然の力が必要だったと納得させるだけの説得力と魅力のある母でした。
この映画は、浄化の物語であると同時に、1人の女性の人生を称え、その死を受け入れる物語でもある。
「母なる大地」と人の心の軌跡を疑似体験できる作品。

そして、この自然でリセットされる感覚って先進国、普段は野生と遠いところで暮らしているいわば先進国の人ならではの感覚だよなあとも思う。
アメリカで映画になるべくしてなった映画。
2015年8月28日から公開予定。

チェスケー・シュヴィーツァルスコ国立公園(ザクセン・スイス国立公園)

  • 2015.08.07 Friday
  • 13:02
JUGEMテーマ:旅行


帰ってきてから改めてblog書くのに国立公園のことを改めてgoogle先生に聞いてみた。
情報が少なかった理由がわかりました。
私達が行ったのはチェコ側なのですが、そちらで情報を得る場合は
チェスケー・シュヴィーツァルスコ国立公園(Národní park České Švýcarsko)かチェコ(ボヘミア)・スイス国立公園と検索すれば沢山情報があったのに
ザクセン・スイス国立公園とドイツ側の名前で検索していたため、ドイツ側から列車に乗ってといったルートの話ばかりでてきた。
ホテルのレセプションとホテル隣のインフォーメーションの女性がどちらも非常に親切な方で色々と教えてくれましたが
ホテルで国立公園のことを聞いたときにドイツ側のことはよくわからないといわれた理由も、インフォーメーションで説明を聞いてわかりました。

二カ国にまたがるくらいなので、名所も沢山あったんですね〜。
チェコ側で、子どもも行けるハイキングコースは?といったことを聞いたら
何カ所か教えてもらい、川下りなんかもできると教えて貰いました。
大人だと、ハイキング+川下りも出来るけど、子どもの場合はどちらかを選んだ方が良いと言われ
私は検索してきた少ない情報でナルニア国物語に登場する石の橋があるということだけなんとなく頭に貼り付いていて
そのハイキングコースも発見!
登山道の入り口までホテルから車で45分ほど、そこから7km歩くと、この石の橋が観られると聞いて
これ行きましょう!と即決。
ちなみに、ホテルから一番近いハイキングコースだと車で10分くらいのところにもありました。

プラフチツカー・ブラーナと呼ばれる自然に作られた欧州最大の石の橋を観てきました!
これはですね、前述のとおりナルニア国物語のロケ地としてでてくる国立公園で、この石の橋も冬景色の中で出てきます。


こちらのサイトなど綺麗な写真が載ってます。

2時間歩いた後にみた絶景に感激しました。
この時、友人家族の息子君がちょっと調子が悪くなってしまってハラハラしたのですが
美しいサファイア色のコガネムシを捕まえたり、休憩でパン食べたり水飲んだりして気を紛らわせて頑張って歩いてくれてホッとした。
5歳女子の心配をしていましたが、そちらはスキップせんばかりの勢いで、幼児の体力のすばらしさにも感心しましたw

あと、姿は観られなかったのですがモグラがいた。
男女2人組が地面を掘りながらなにやらみているので近寄っていったら
男性の方が「クルテク!クルテク!」
と言いました。
二言しかしらないチェコ語のうちの1つだった。
(あともう一つはドブリーデン=こんにちは)
クルテク=モグラというのだ。
なんで知っているかというと、クルテクというアニメキャラがいるから。
ま、それだけなんだけど、やっぱり何を言っているかわかるっていいですねってことで。

その橋のたもとのレストランで昼食を食べ、山道を降りていって、バスに乗り元の登山道に戻ったのですが
バス乗車時間が5分(爆)

辿ったコースはこんな感じです。


いや〜、でも本当に面白かった。

石の橋をみたところでの休憩所兼レストランにて。

広島原爆投下から70年

  • 2015.08.06 Thursday
  • 12:48
ちょうど10年前に60年という記事をアップしていた。


戦争が終わってからももうすぐ70年経ちますね。

今も世界で唯一の被爆国なのに、戦争はなくなるどころか増え続けるばかりです。

もっと生きたかったであろう無数の御霊に祈りを捧げます。

そろそろ子どもを連れてまた広島に行ってこよう。

ジュピター  女子ウケするけどデートムービーに選ぶな!

  • 2015.08.03 Monday
  • 12:38
JUGEMテーマ:映画



飛行機で観た映画その1。

世間の評判はイマイチ芳しくないようですが、私はこの作品わりと好きです。
でもこれ、男子ウケ悪いだろうな〜って思います。
私は女子にこそ勧めたい。
なんだろう、監督が1人女性になったから?
非常に乙女系な作品で、日が経つごとに私の中でこれはDVD買っちゃう?という悪魔の囁きが聞こえてきている。
あ、でもデートムービーに選んだら失敗します。
くれぐれもDVD片手にオレのうちでマトリックスの監督最新作観る?などとやってはいけません。
その理由を以下に長々と述べます。

理由1 作品の系譜としてはマトリックスじゃなくてトワイライトと同列
一見壮大なSF大作ですが
今回はですねーアメリカンコバルト(正解はヤングアダルト)系のストーリーがかなり滲み出てきています。
主人公・ジュピターは一家で清掃業を請け負っているようで、毎日毎日トイレを掃除する生活にウンザリしている。
そこへ、突然命を狙われ、それを助けてくれる屈強な男ケインが出現。
聞けば、ジュピターは宇宙のえらく高貴な一族の母親の生まれ変わりだというではないか。
生まれ変わりに権力握られると色々と不都合なその子どもたちがジュピターを殺しに来たり、その権力を利用しようとしたり色々暗躍するのをケインが助けに来るっつーのが基本ライン。

理由2 美女と野獣もしくは春琴抄
で、ジュピターはケインに惚れちゃうわけです。どうやらケインも惹かれている。
でもケインは春琴抄における佐助みたいな状態でして
「お嬢さんに手を付けるわけには!」
みたいな苦悩を!苦悩を!!
悩みまくるケインをザ・アメリカンな肉体派イケメンのチャニング・テイタムが演じるわけ。
今まで、テイタムさんには興味の針が1mmも触れませんでしたが、これはキタ!
かっこいいっす。
ワイルドな外見なのに、寡黙で、不器用で、一途!
この三拍子でこられたらねぇ〜。
今回、チャニング・テイタムの中にワタクシ「高倉健」をみました(笑)

で、一方のジュピターちゃんも黙って守られているようなタイプではなく
顔から落ちそうな大きな瞳で丸顔なのに、シャム猫か女ヒョウかジャガーかっていうしなやかかつ妖艶な雰囲気の女優さん。
騙されたかと思うと、ビシっと言いたいことはいい、度胸もある。
こちらも今まで殆どノーチェックでしたが、カワイイしカッコイイ!
素直で勝ち気なキャラだというところもナイス。
ジュピター役のミラ・クニスにもときめいちゃいました(笑)

理由3 次男役のダグラス・ブースがどうみても劇団ひとり。

ジュピターやケインに立ちはだかるキャラとして生まれ変わる前の母が産んだ子ども3人、長男、長女、次男がでてくるのだが
その次男がね。
彼が悪いわけではないが、劇団ひとりにしかみえないので何かギャグっぽいというか、うさんくさい(ゴメンナサイ)。
ジュピター!にげて!逃げるのよっ!って気持ちにしかならず。
イケメン枠にいる英国俳優さんみたいだし、実質かっこいいはずなんだけど
この映画の中では髪型のせいかメイクのせいか、劇団ひとり化が激しくて
途中でキス我慢選手権かと思ったり。(いや、思わない)
あ、劇団ひとり氏も男前だとは思うんですけどね(とってつけたようで更に申し訳ない)

理由4 エディ・レッドメイン(レディ・エッドメインといつもひっくり返る)がラスボス
この俳優さんもレ・ミゼラブルで観ていると単なる好青年なのに、芸幅が広いなー。
で、今回オールバックで顔がでているのもあって、かなり独特な容貌をしてます。
なんていうんだろう、あの火星人の顔とやらにどことなく通じる不気味さを感じさせる。
劇中で首を傾けたまま、あまり目線を動かさずに喋る姿とか、すっごく不気味。
さらに、耳元で「え?もう一回言って?」と囁きかけたくなるくらい掠れ気味の声でボソボソと呟く。
普段から病気なのかな?というような儚げーな佇まいに寂しげーな表情だからラスボスなのに
気持ち悪さはあるけど怖くない。かと思うとクワっと目を見開きヒステリックに命令したりしてビックリするw
なんで、こんなヤツが宇宙治めてんの?といいたくなるくらい(笑)
すっごい面白いキャラなんだけど、最もツッコミ甲斐のあるキャラだった。(かなり好きw)

とまあ、理由3,4あたりの人物造形もあって、ますます理由2のチャニングテイタム兄ちゃんの魅力が爆発してまして、デートムービーとして観ちゃうと、彼女が「チャニング・テイタム素敵!」って目がハートになっちゃうかもしれないんで、不向き。

ごめん、結論まで長すぎて。

で、注意事項として以上のようにわりと壮大な背景の美女と野獣または春琴抄な雰囲気の話だと思って観ているとかなり楽しい。
ストーリーや背景は壮大ですしね。

え?SFとしてのストーリーや映像美?
その辺を主軸にすると厳しいのと、私は語れない。
これで、この映画の立ち位置を察してください。

でもミステリーサークルや恐竜絶滅の説明みたいな子ネタ、わりと好きでした。はい。

私としては、この映画は

ミラ・クニスとチャニング・テイタムの魅力に気付かせてくれてありがとう!
ウォシャウスキー 姉弟!


この一言に尽きる。

アメリカン・スナイパー

  • 2015.08.01 Saturday
  • 12:35


もうDVDでてしまっているんですね。
これは、映画館で朝一に人との待ち合わせ前に観てしまって、観る時間帯を間違えたと思いました。
なんとも重く、やりきれない映画です。
こう書くと観ない方がと思うかもしれませんので、最初に言っておきますがまぎれもない傑作です。
俳優としても監督しても素晴らしいキャリアを築いてきたクリント・イーストウッド監督の凄さにも敬意を表したい。
80代半ばですよ。元気でいるだけでも素敵な年代で、今描くべき問題をこれだけ多重に鮮烈に描けるとは。
この「時代を見る目」だけでも、真似たい。

アメリカの保守層にはこれを愛国的だと絶賛している人たちがいるというのですが、どう見ても反戦映画にみえるけどなあ。
イラク、シリア側の人たちの内面や状況があまり描かれなかったり、ことさら残忍な人物が出てきたりしたせいかもしれないけど。
人の感性というものは様々ですね。
観る人によって正反対の感想をもたらすという意味でも凄い。

同じくネイビーシールズを描いた実話の映画といえば
近年では『アフガン、たった一人の生還』を原作とした「ローンサバイバー」がある。
こちらは、映画の方を観ていないのですが、原作読んだ限りは本人がその時の判断や結果を悔いている様子があまりなく
仲間を失った悲痛さは感じるも、ここで相手と戦うべきなのかという葛藤や精神の崩壊みたいなものは殆ど感じなかった。
なんというか、その点に読んでいてすごく違和感を感じた。
回想でのネイビーシールズの訓練のことなどが前半に細かく出てくるんだけれども、メンタルの訓練等ってこれって一種の洗脳だよなと思うとなんともやりきれず。

アフガン、たった1人の生還は1つの作戦について描いており
アメリカン・スナイパーは、は主人公を通して、何年もに渡る戦争を描いているので土台が違う。

けれど、アフガン、たった1人の生還もアメリカン・スナイパーも前述した通り主人公自身のメンタルは似ている。
軍としての訓練にこういうメンタルを植え付けられるんだなとつくづく思った。
強靱な肉体よりも強靱な精神を保つための鎧にもなるんだろう。

アメリカン・スナイパーではその分、家族の姿が主人公と対比して描かれる。
妻が夫のかわりようにおののくようなシーン、観客が感情移入しやすい立場の人間が再三出てくるシーンがあったことで
戦争の特異さと恐ろしさが、観客の目前に繰り広げられているような緊張感を体感するようなところがあった。

ローンサバイバーの原作は、作戦中に出会った山羊飼いの少年たちを一般人として協定の範疇として見逃すか
彼らがタリバン関連の施設や人に自分たちのことを密告する、もしくは関係者であるとして射殺するかを隊員達が議論しあって見逃したことで結局窮地に追い込まれるが、1人生還したこの隊員を助けたのもまたアフガニスタンの一般国民。
敵かそうでないかがわからないという中でも、アフガンの人たちの中にも米兵にも敵と一般の人は別であるという線引きとお互いへの尊厳があったからこそ、この兵士は帰還できたといえる。

が、アメリカンスナイパーでは少年や母親といった女性がしばしば標的として撃つべき存在か、否かという場面が出てくる。
また、イラクの人もアメリカ側に協力したとわかるや否や、家族や本人が容赦なく殺されるシーンなどが出てきて
双方誰が味方で誰が敵かと常に神経を張り詰めているような場面が描かれ、疑心暗鬼なキリキリとした場面が何度か出てくる。
これが、相手の不気味さを強調するようにも思え、保守派が指示する理由かもしれない。

よくわからない相手は恐ろしいし、不気味です。


目の前にいる敵を討ち、自身と仲間、そして米国民を守る。
彼らにとってはそれが使命であり、仕事だから。

主人公が一心に前をみつめ、走り抜け自身や大切な人々を守るために戦う。
が、戦う相手にも家族や守るべき存在がいる。
死ぬと嘆き悲しむ人が居る、何が正しいのか?と疑問に思う人がいる。

そして、撮影中に起こった悲劇がエンドロールを書き換えて挿入される。

遠い国の出来事?
冗談じゃない。
日本は戦争をしたことがある国だ。
祖父母まで辿ればまだ経験者がいる。
そして、今国の防衛に関する法律が変わろうとしている。
もしかしたら憲法も変わってしまうかもしれない。
首相は、子どもたちが将来徴兵されるような事にはならないという。

だが、今だって自衛隊にいたって国を守るためには人を殺すことは厭わないなんて教育は今は受けていないはずだし
状況が変わって戦争になったり自衛隊員だけでは人が足りなくなったら、徴兵制ができるかもしれない。
過去にあったように。
以前にあったことが、現代に起きない保証はない。
そして、いつも犠牲になるのはごく普通の人。
自分やその家族や友人、知人と言った身近な人たち。

じゃあ、憲法九条を叫んでいれば平和が守れるのかと言われるけど
先の戦争でも日本は外交上の駆け引きに負けた失策や暴走があり、他国につけいるスキや大義名分を与えたのではないか。
軍事力を高める前に、もっと国民の叡智を結集し利用する場所もあるのではないか。
国の一番の資産は人材じゃないのか。
その人材を洗脳して駒として動かしていくことで国力というのは本当に維持できるのか疑問に思わずにはいられない映画。

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