百鬼夜行抄 (7)
百鬼夜行抄 (7)
今 市子

この漫画は、社会人になってからみつけたイチオシです。
妖魔(物の怪)と共存する飯島ファミリーの不思議な日常を読みきり形式で綴っているのですが、そのエピソードが並みの小説より物語としての完成度高く、一篇のドラマか映画のようです。私は文庫でしか持っていないのですがそれでも6巻まででています。その文庫版2巻にある「雪路」というエピソードが恐くて儚くて一番好きです。
純粋に少しホラーっぽい話が好きな人には勿論、少し民俗学とかも入っているので、柳田國男や折口信夫あたりが好きな人や京都より奈良!とか土着信仰などに興味がある人にも面白いつくり。
そして鳥好きにもたまりません。
この方は別著で、「文鳥様と私」という飼っている文鳥一家のエッセイを出しているくらいなので、鳥の動きとか姿を描くのが上手く、この中にも尾黒、尾白というからす天狗の妖魔がでてくるのですが、霊力が弱まる昼間の姿はどうみても文鳥。可愛いです。

少コミvol2
惣領氏は「Three」という音楽漫画が最初で溯って、ボーイフレンド、おなじくらい愛などを読んだ。この方は出版社専属が多い中、掲載誌から出版社がかなり散らばっている珍しい人です。最近では青年誌に作品描いてました。
その出版社移籍の顛末をご自身のHPプロフィールのところで事細かにかかれています。出版社(漫画雑誌)製作の裏が読めて面白いので紹介しておきます。
惣領冬実@web

今サイドにこの方の「Mars」を載せてますが、この人の描くビジュアルってラルクのボーカルとかが身長180cmくらいある感じで日本人離れしてます。基本的に。
ここではThreeについて。ちょっと長めに思うことを書きます。思い入れが結構あるので。
この作家は、ストーリー作りが本当に巧みなんだなあと感心しました。ずっと、人を描くときの全体のバランスとか、背景、顔の角度、といった構図的なセンスが美術を学んでいたんだろうな〜と思わせる上手さだったのですが、本当の魅力はこのストーリー運びかもしれない。
誰も悪いわけではないのに、物事が上手くいかない、すれ違ってしまうというもどかしさや、居たたまれなさ、というものの描き方が絶妙です。真実や本当に思っていることなんて簡単に相手に伝わらない。誤解によって、それぞれが何度も傷つくんだけど、結局自分達の周囲で起こる出来事で簡単に相手を心底憎めないし嫌いになれない。
またそういう無償の愛みたいな感情を抱くきっかけとなるエピソードが物語の前半で丹念に描かれている。時が過ぎれば人は一見忘れてゆくのだけれど、ふとした拍子に幼かった自分のその時の気持ちが蘇る。10代のときに印象深い恋愛をすると結構何年経ってもふっと思い出したりすると思うんですよね(あくまで想像)。純粋だったぶん、相手も状況も美化しているだろうし。自分の好みや価値観が形成される段階だから、お互いに影響も受けやすいし、お互い職歴だの学歴だのといった条件も関係ない時期だけに、どうしても純粋に感じられると思うんですよねえ。その状況でお互い支えあったり力になったり楽しんだりっていう対等の関係を築いてきたっていうのは、強い。現実には、異性間で14,5でお互い対等に高めあうような間柄あまりありえない。だからこそ憧れられるというか、登場人物たちに読む人は気持ちを投影できる。
お互い一個人として成長しあってゆく関係性を描いているのって今の作品でもそう多くない。ということは現実でもやっぱり男女とも今の自分にとって都合のいい存在を求めるんだろうなあ。時代が進んできていて、考え方が変化している人も大勢いるんだろうけど、そうでもない人もたくさんいるのではないかと。常に対等に高めあう関係って大変だものね。
対等にっていうかお互い自立した立場でいるのも結構難しい。最近の少女漫画を読んでいても、大半がスーパーな男の子に結局は女の子が助けられるっていう展開なんだよね。現実は逆だったりするんじゃないだろうか。中学生くらいだと女の子のほうが同年代だったら絶対精神年齢が高い。そういうところからもこの作品の理乃とケイっていうのは非常にリアルな設定。男の子は見た目にも、内面的にも理乃と関わる中で目まぐるしく変わっていく。その成長過程が絵でもストーリーでも偏らずにきちんと描かれているところがこの作家さんの強み。
今読んでも面白いというか2,30代の人が読んだほうがこの面白さはよりわかるんじゃないだろうか。

久々に漫画ネタ。ええ、まだ続きます。ってもう11話も書いてますが。
今回は少見コミvol1。
私が読んでいた頃で印象に残っているのは、惣領冬実、篠原千絵、さいとうちほです。
篠原氏は、読んでいた頃のリアル連載は「海の闇月の影」。双子姉妹の一方が何かに乗っとられたかで邪悪な存在となり殺し合いになるという物騒なストーリー。確か男性も取り合ってた。オカルトやSFチックな設定を取り入れ、毎回主人公大ピンチ。荒唐無稽な話を独創性溢れる壮大な話に仕立てていて、絵はどちらかというとそれほど上手いとも綺麗ともいえないのに読ませる。
他にはドラマになった「闇のパープルアイ」。これは豹に変身する女の子の話。
「蒼の封印」。鬼の末裔たちが繰り広げる死闘。
「天は赤い河のほとり」。現トルコのあたりにあった古代帝国、ヒッタイト帝国にタイムスリップし王妃となるという王家の紋章系の話。この話は王家や国、主人公に次次迫る危機を、抜群の機転で乗り切っていく展開が面白く連載も長期化。ただどの連載にもそこはかとなくあるエロがかなりこの連載では無駄に比重が上がっていて全体の流れをとめていた気がする。
が、私はこれを読んでますますトルコいきたくなりました。カッパドキアとか行って見たい!地下都市。かっこいい〜。←アホ。

さいとう氏は「円舞曲は白いドレスで」。鬼頭院将臣(きどういんまさおみ)というなんとも仰々しい名前の海軍将校の恋敵が私の好みにヒット。
この漫画家は宝塚の舞台を漫画化したりしているくらい、作風も宝塚系。近年だと、「少女革命ウテナ」というゲームっぽい作品がアニメ化されカルトな人気になったり作風を広げています。が私はこの人は円舞曲〜のように歴史が絡んだドラマ性の高い作品を好んで読んでます。大河ドラマ調の仰々しいもの。
やはり金字塔は円舞曲〜。確かロシア文学の名作(主人公が3度結婚する話だったような。なんだっけ)から着想を得たとかで、少コミでは一応主人公とヒーロー役のインド系イギリス人が結ばれるところで終わるのですが。続編が別の雑誌にでました。「白木蓮円舞曲(マグノリアワルツ)」
合間に読み切りもあるのですが、とにかく将臣さんが大成長キャラになって主役をとってしまった。
この話は、太平洋戦争前の昭和10年代の東京が舞台。主人公とその従兄弟の長男が許婚となるも長男は家出により勘当。次男と婚約(これが将臣さん)。
が知り合った英国籍のインド人レジスタンス・サジット(表向きは英国軍人だがインド独立を目指す運動を指揮する青年)と恋に落ち、すったもんだの末上海へ。結婚。でいちおう終わり。
がライバル将臣さんは白血病に。で続編では2人の駆け落ち後そのことを隠して軍にいて上海で諜報活動を続ける将臣さんと言うところから始まる。
主人公たちは上海からインドへ。そこでサジットは殺され主人公と生まれた男の子は将臣さんに助けられ上海にもどるが、将臣さんは軍務でスンガリーへ。で主人公は、将臣の病気のことを知って軍を除隊させようと乗り込んでいく。結果的に将臣さんとくっついて一緒に暮らすようになり、死を見取る。んでこの死の前にまたもや男の子を産む。(将臣さんは薬を飲んでいなかったのかとかそういうつっこみはナシに。)ラスト、戦後に最初の許婚だった長男と再再婚。
主人公は二人と死別して三度も結婚するんですよ。
しかも忘れ形見が、それぞれの男性にソックリ。なんか・・・いい人生だなあ(笑)

この人の描く女性はエキセントリックであまり好きではないのですが、この作品は将臣効果で好きです。
あとは今も連載中のアナスタシア倶楽部。ロシアの美術品や骨董品にまつわる謎をとく作品。ロシア王室ニコラス帝一家惨殺を逃れたといわれるアナスタシア伝説やチャイコフスキーやラスプーチンの死の謎などを骨董品の鑑定から解く。
単行本で繰り返し読んでいるので、オットに
「またアナスタシアか!このアナスタシアめ」などと意味不明な突っ込みをもらっている。

惣領氏は続けて12で。

別コミvol2。

渡辺多恵子氏。今でも新撰組を題材にした「風光る」という作品で人気なようですが、これは読んでません。新撰組は高校のときにものすごくはまって頭の中にかなりビジュアルが確立されているのですが、それが渡辺氏の絵柄だとちょっと幼すぎて合わないのが理由。あと長い漫画は、続きが気になってそのうちめんどくさくなるので完結してから読むかもしれません(笑)
というわけでやはり私の中では「ファミリー!」「ジョセフへの追想」「はじめちゃんが1番!」、この3本。ダントツで「ファミリー!」がお気に入り。これは文庫版で買ってしまいました。アメリカ西海岸に住む家族の話を毎回1話完結でコメディタッチに描く今読んでも心温まるエピソード。
後半の「ハイヒールスプリンター」という主人公・非常に男っぽい女の子フィーが、女性である自分をちょっと受け入れはじめるというエピソードがお気に入り。
「はじめちゃん〜」は主人公がビジュアル的に可愛くないという少女漫画の掟を破るような設定でビックリした記憶あり。
話としては芸能界ものだったと思うが個人的に思い入れのあるようなキャラがいないのであまり覚えていない。

森丘茉莉氏。もんのすごく少女漫画然としたかなり甘々な絵柄で展開は昼メロっぽかった。「愛のエトワール」「LOVE-抱きしめたくて-」「バージンブルー」とか。
何年か描いてない時期もあったようですが、数年前レディース系でちょこちょこ描いているのをみた。絵柄は相変わらず華やかですが以前よりすっきりし、話も脱サラした女性2人が共同経営でエステサロンを開く中仕事や恋に奮闘する2、30代の女性の話で面白かった。こういうの描くようになったんだ〜、と感慨深い。

田村由美氏といえば「巴がゆく!」そして「BASARA」。BASARAは、最後の方はすでに雑誌を買っていなくて完結してから全部読みました。少コミの篠原千絵氏と似たタイプの壮大なスケールで荒唐無稽な話をぐいぐいと引きつける筆致で描く方との印象があり。
どちらの話もロミオ&ジュリエット的な設定で、恋する相手が敵であったりするような困難でかい系。描かれる主人公の危機も「もう私たち駄目かも」とかそんなレベルではなく、「死ぬかも」とかいうような生死のレベル(笑)登場人物たちも、美点だけでなく欠点も余すことなく描きそれを魅力に変えてしまうような迫力ある作家さんですね。

秋里和国氏は「THE B.B.B」とかでしょうか。でも当時あまり読んだ記憶がない。なんか登場人物たちの考えることからでる行動が突飛でついていけないなあ、と。
今はプチコミックだったかで何か連載しているようですが、印象が昔と同じで、やはり飛んでいる・・・ような気がする。

赤石路代氏も「ないしょのハーフムーン」「あるとのあ」とかは別コミ連載だったような。「あるとのあ」はリアルタイムで読んでたはずだがあまり記憶にない。そういえば家人の友達にあると君という名前の人がいるので名前を聞くたびにこの漫画を思い出すのだが。ヒロインは覚えているのだが、ヒーローの記憶が全くないんですよねえ。

おおや和美氏、吉原由杞氏などもいましたが、あまり覚えていないということは好みではないということで。吉原氏はレディース系に移って結構ブレイクしたらしいですが、かなり過激路線にいっていて「これは人前で読めない・・・」あらら〜という感じ。随分弾けてしまわれて。

そして最後に印象に残っているのが
惣領冬実「ジンジャーマンが逃げた」
この漫画家さんは大好きな方の一人です。多分すべての作品を読んでいる。いろんな雑誌に描いていて、読み出したのは少コミ「Three」あたりからだと思うのですが、「終わるHeartじゃねえ」とか今でも読んだら泣いちゃうんじゃないかなあ(笑)この方については次に書こうかと思います。絡めて少コミ等。

結構私としては思い入れのある別冊少女コミック、略して別コミvol1。

読み始めのキッカケは、川原由美子氏「前略・ミルクハウス」と、高瀬由香氏「ラスト・ロマンス」や「エンジェル」だったと思います。
この2人はそれぞれ絵柄が好きで、中でも川原氏の書く女装した男性とかのキャラクターとか、その後に描いた「ソルジャーボーイ」(連載されていた場所は別コミではなかった気がする)でもやはり男装する女性が主人公でその話も好きでした。最近だと「観用少女−プランツドール」なんていう不思議な話を連載してますが、前略〜くらいから人のトラウマやコンプレックスを題材にひねったストーリー展開を生み出す方だったと思います。
高瀬氏は、女の子の絵柄が単純に好きだったんですけど、エンジェルあたりは結構長期連載で、その時に長い話を作るのが上手くないなあと思っていたら、その後やはりあまり連載やらなかったようで、今はレディースコミック系でたまにみかけるのですが、今の方が絵柄がヘンになってるような・・・。

毎号買い始めた時確か吉田秋生氏「BANANA FISH」が新連載として掲載されていた記憶が残っています。
この漫画がまさかあんなに長期で、しかも結構なファンを生み出す作品になるとは初期の頃は正直あまり思っていなかった。絵柄があまり好きではないし、目を見張るような美形という表現に絵がついていってないなあとずっと思っていまして。
ですが、ストーリーは暴力と抗争、友情といった青年誌に載っているようなダークな展開ながら非常に緻密でBANANA FISHが原因で人が次々と殺されていく。BANANA FISHとは何か?という大きな謎が徐々に解かれていく展開。
ベトナム戦争まで展開が遡っていきます。単行本でいくと10巻過ぎくらいからの展開が私は好み。ストーリーに引きずられて登場人物たちもかっこよくみえるようになったし。
ですが、話としては実は「夜叉」「ラヴァーズ・キス」の方が断然すきなんですけど。「夜叉」は単行本で読み出してそれで逆に見直して「BANANA FISH」を再読したので連載当時はあまり熱心に読んでませんでした。
あとは「櫻の園」は映画も観たので印象に残っている。
最近Floworsという雑誌で「夜叉」の続編ともいうべき「イブの眠り」を連載していて、これは立ち読みしてます(笑)
「夜叉」は遺伝子研究によって人知を超えたような知能と能力を持って生まれた双子を巡る国家間・企業間・研究者達の陰謀などを遺伝子工学や生命倫理、バイオテロといった側面から描く壮大なストーリーです。もう一本の軸は「血のつながり」。
ハードな戦いの場面が続く中、後半肉親の情・兄弟の絆に泣けます。

「イブの眠り」はこの双子のうち兄の有末静(ありすえせい)の娘の話。
冒頭からいきなり静が、ある人物に神経と言う神経を切り刻まれ、助かったものの人としての形をあまり留めていないらしいというショッキングな始まり。
いきなりこの始まりにはぎょっとしました。

他の作家では前田恵津子氏「ぺぱーみんと・エイジ」がかなり終わり頃で、その次の「パレットの森」と「るり色のDoor」まで読んでました。
結構女の子が大人しめで、耐えるタイプっていうイメージ強し。特にパレットの森は、相手の男性が生い立ちが不幸だったか、複雑だったかで無口でぶっきらぼうなために結果的に主人公につらくあたるタイプで「性格悪いなー」と思いながら読んでました(笑)

さて、この雑誌は買っていた期間も長いので他はvol2へ。

渡辺多恵子、森丘茉莉、田村由美、秋里和国などを。

宮川匡代に、紡木たく、佐野未央子。
宮川氏は出世作といえば「ONE−愛になりたい」。80年代のメロドラマっすね。ことごとくすれ違い、弱々しい主人公カップル達がこれでもかーこれでもかーと状況や周囲の圧力で切り離され、それでもなんとか恋愛成就させようとする執念の物語(爆)を淡い筆致で描いています。当時はかなりはまって読んでました。
この人はこの現代において、よくもまあこれだけというくらい人の悪意を利用した障害を作るのが上手。意外と連ドラとか向いてる気がするんですけどね。最近はOL系漫画をいろんなところに隔月連載していていまだにちょこちょこ読んだりしてます。この漫画家はでてくる学校名が各作品でだぶっていたりして、「葉庭大学」「フィオーレ付属高校・大学」なんてあたりがよくでてきます。そしてなんていうんですかね・・・いつ頃からかやたらと英語を話す人物が登場するようになったりしてまして。少女漫画特有のヒーローの完璧さ、かっこよさ願望がみょーな方向にいっているのを感じます。会社も制服ない会社が舞台の作品が多いとはいえ、社内でノースリーブはないんでないかい?それともカジュアルが進んだ会社なら今オッケーなんですかね?

紡木たく氏は、世間的には「ホットロード」大人気でしたよねえ。しかもちょい不良気味な少女たちは熱狂的に真似していて、好きな人や付き合っている人の名前を腕に家庭科の時間針とかで彫ってるのを目撃しました(笑)当時でも、そういう面では非常に現実的だったワタクシは、「あー、どうせ別れるか違う人を好きになるのに、痛い思いまでして。」と心の中で思いながら、ある意味私なんかより純情だよなあと感心してました。たいてい案の定別れたから消したいけど消えない、どうしよう〜?とか言われて、ビタミンCとって肌が綺麗になるようにすれば少しは早く消えるかもよー新陳代謝で。などといい加減なことを答えておりました(笑)
絵的にもストーリー的にもあまり好みではなかったのでこの後「瞬きもせず」くらいしか読んだ記憶がない。

佐野未央子。「100%コットン」「お目にかかれて光栄です」「手ごわいプリンセス」あたりを覚えています。が、私がいいなあと思ったのは実はかなり最近で、読みきりから連作読みきり、ついには連載となった「君のいない楽園」です。亡くなった父はカメラマンだったという少女・十萌とそのアシスタントだった男性一哉とクラスメート八神くんという3人を軸に十萌の成長をゆっくり追う物語。読みきりの頃は中学生で十萌は一哉を好きなんですね。一哉はちゃんと別に恋人がいて十萌の気持ちになど気づいていないというか自分の娘のように可愛がっている。と思ったら十萌と八神くんがだんだんと微妙な関係になってきて、一哉も気が気ではなくなったり・・・と微妙なお互いの心の距離を丁寧に描いています。
十萌は高校生になり八神くんとも別の高校。別になってハッキリと八神くんへの気持ちを自覚するのですが、八神くんには難病の従姉がべったりとはりついていて・・・と今は一哉ではなくこの従姉を巡っての三者三様の気持ちで話が進んでいます。私のツボは八神くんキャラです。彼自身も好きなこにはついつい意地悪をしてしまうという子供っぽいキャラからどんどん成長していってかなりかっこいい少年になりました。そうまるで親戚の伯母のような気持ちで見守れる漫画(笑)
この人はイヤミのない三角関係を描くのが上手い。極端な悪者がいないのです。絵柄も作風もあまり変わっていない稀有な人かもしれない。近作を読んでそんな感想を抱きました。

中学・高校くらいで自分で買出だしたのは、別冊少女コミックでした。その前にちらっとマーガレットだったか。

まずはマーガレット系の漫画の話Vol1。
槙村さとる「白のファルーカ」くらもちふさこ「Kissπr2」聖千秋「イキにやろうぜイキによ」多田かおる「ミーハーパラダイス」あたりが印象に残ってます。

この4人とも遡って作品読んだりしました。今亡くなった多田さん以外は、ちょうどこの当時読んでいた人がそのまま大人になっても読んでいそうな「コーラス」や「ヤングユー」あたりにごっそり移動してますね。

槙村氏の場合、この当時よく描かれていたのが「何かをめざす少女」。スケート選手だったり、演奏者だったり、バレリーナだったり。その追い詰められ方と這い上がり方が、泥臭くて、劇的で面白かった。絵柄もどことなく劇画チックだったし。

くらもちふさこ氏は読み始めは苦手だったのですが、それは絵柄が独特だったせい。なのでお話遡るほどクセが薄れているので読みやすい。ちょっとしたエピソードで人の気持ちを表現するのが上手い。「アンコールが3回」「東京のカサノバ」「Aガール」「いろはにこんぺいと」「いつもポケットにショパン」は実は嫁入りにも持参してきてしまい、未だに手元にあって何十回と読んでほとんど暗記状態・・・。
なかでも「いつもポケットにショパン」は好きですねえ。主人公麻子は母親がピアニストで自身もピアニストをめざす高校生。麻子と幼馴染の季晋(としくにと読むが渾名は「きしんちゃん」)の小さい頃のエピソードが物語の1/3を占め、お互いの母親の確執、それが成長した麻子ときしんちゃんにも重く圧し掛かる。麻子の人間的成長に合わせて、ピアノも成長しきしんちゃんとの関係も進展していくその要所要所で、小さい頃の二人のエピソードの挿入が効果的に表現される。この主人公がどんくさい感じから徐々にしっかりとした人間に成長していく様は何度読んでも面白いです。それからきしんちゃんを好きなのが本人にもバレバレなくらいわかりやすいのに、異様にシャイな性格なのも今にはないキャラクターで良いのです。

聖千秋氏の「イキに〜」は我が弟が少女漫画を読むキッカケとなった作品で、彼はマーガレット系の作品は好んで読んでました。薔薇が乱れ咲くような過度な感じじゃなくて、かといってSFっぽい夢見がちなヤツでもない適度に現代的な作風が読みやすいらしい。
この作者は吉川晃司大ファンだとかで、描くヒーロー皆どことなく彼に似ていると当時から言われておりました。だんだんほどよく肉感的な作風になって以前ほどではないですが、どことなく風貌がだぶる。この人は、一見強そうなのに非常に内面的に弱い女の子を描くのが上手くて読むもののヒロイン願望をくすぐるし、男の子はそれを突き放してみているようで、いいところで助けてくれる変形版白馬の王子様が多かった。近年描くのはもっと心理的に深みのある話が多くなった分複雑な構造。一筋縄ではいかない人間ばかり登場している(笑)

そして多田かおる氏
この方はその昔「愛してナイト」など一連の作品でどちらかというとアウトロー気味な男性に、元気いっぱいな可愛らしい女の子という組み合わせだったようですが、上にあげた「ミーハー〜」ではアウトローなヒーローはバンドマンでした。化粧系バンドの(笑)ご本人が非常に好きだったようで、単行本にはライブの楽屋ルポにXとか登場している・・・。15歳当時のyoshikiの写真とかまであったりするんですよねー。ライブハウスで偶然目立つ男の子だっていうので、声かけて写真撮らせてもらったら、のちのちデビューしたという。かなりビックリなエピソードつきで単行本に写真が載ってました。

あとはやはり「いたずらなKiss」。これは作者が途中病気で亡くなってしまったために未完となってますが、ドラマにもなったラブコメです。主人公琴子は元気いっぱいの針を振り切っちゃった感じでかなりアホ炸裂キャラ。これがアウトローはアウトローでも、何をやらせても完璧・天才であり運動神経も抜群だがその分めちゃくちゃ性格も悪い(というよりあまりにも冷静すぎて喜怒哀楽があまりない上にかなり正直者系の毒舌家)入江くんにこっぴどく振られるところから物語は始まる。
話が進むごとに、苦労せずになんでも出来てしまう入江くんに苦労をしょわせることの出来る唯一の女という設定が効いてきて、入江くんを陥落(笑)それになんといっても、脇役も強烈。琴子を好きで入江をライバル視する金ちゃんなんて、見かけは昔のやくざみたいだし、入江くんの母親=通称入江ママはどういうわけか琴子を気に入り様々な見え見えの策略を練っては息子と結婚させようと企む。人気があったためか連載もどんどん延び、結婚するわ、就職するわ、転勤があるわと人生のイベント盛りだくさん。絵柄が荒いところもある作家さんですが、おじさん、おばさんを書き分ける個性的なキャラクター造詣は白眉。

8ではマーガレットvol2で宮川匡代に、紡木たく。佐野未央子のことを。

「りぼん」番外編
太刀掛秀子氏と佐々木潤子氏を忘れておりました。
私はこの両者のそれぞれ「ポポ先生がんばる」「花ぶらんこ揺れて・・・」と「エース!」が大好きだったんですよね〜。
太刀掛氏の本は他にも「雨の降る日はそばにいて」「ひとつの花も君に」などの短編集も好きでした。この人の描く話はとにかく切なく悲しいものが多くて。

「花ぶらんこ〜」では、主人公の恋人が病気で亡くなってしまう話。この亡くなる彼とやらが、本当にいい人で、今ならこんな完璧だから死んじゃうんだよ・・・と突っ込みの一つもかませますが、当時は高校生ともなればこれくらい大人に違いないと信じていたかわいい小学生だったので(笑)読むたびに号泣っすよ。主人公や相手役が亡くなってしまうというベタベタの悲劇話にいまだに弱いのはこのあたりがトラウマかも・・・。

「雨の降る日〜」は確かその続編の短編で、主人公の女性が数年後新しい恋に踏み出すまでを描いた作品だったはず。
「ひとつの花も〜」も、表題作は確か学生時代同棲していた彼女と別れてしまう男性のモノローグ。

「ポポ先生〜」は、北海道の過疎の村に来た新米獣医師の男性が主人公で、動物の悲痛な死や、過去を背負う女性が登場したり、怪我やら遭難やらと結果的には大円団でも、悲劇的なことが次々と起こる漫画だった。一応ハートフルコメディの体裁をとってはいたけど。

「エース!」はスポ根バレーボール漫画。弱いバレーボールチームだったのが試合を重ねていくことでどんどこ強くなっていく主人公と仲間。そしてライバルたち。3つ子のアタッカーとかアメリカ人留学生やらお蝶婦人みたいな優雅なライバルがいたりして、主人公とお蝶婦人もどき、アメリカ人留学生は恋愛を巡ってもライバル。ま、主人公が試合も恋愛も手に入れちゃうんだけど。
このとき、学校の一部でバレーボール熱が沸き起こり、小学4、5年生くらいの時よくバスケットボールでバレーやってました。最初はめちゃくちゃ痛いし腕があざだらけになるのですが、慣れるとボールが少し大きめで重いので返ってラリーになったりして熱中してました。よくつき指にならなかったものだ・・・。この方は後々、テニス漫画を描いているのもどこかで目撃しましたが、私の中では少年漫画に例えるとジャンプ連載の「キャプテン翼」のような位置付けの作品。作者が一発屋に近いという点においても。






「小山荘〜」は今となってはどんな話だったかあまり記憶がない。当時は熱心に読んだ気がするのだが綺麗さっぱり記憶が。。。成田美名子氏とめちゃくちゃ仲が悪いというゴシップだけが印象に残っております。

高校生の時一世を風靡した「動物のお医者さん」は文庫になってから懐かしくなって買いました。この作品のおかげで国立H大学獣医学部の倍率が跳ね上がったとか当時言われてましたよねえ。ただ単に第二次ベビーブーマー達が受験生だったというだけな気もするが。従兄弟が浪人してまで計3回受けたのに駄目で同じ学校の水産学科に通ってましたが恨めしげに「あの漫画のせいで俺は・・・」と責任転嫁していたのを思い出す(笑)

そして川原泉。漫画なのにやたらと字数が多く、登場人物達の動きは少ない。科白には哲学用語が溢れかえったりしてるものもあり。心理学用語の羅列あり。なんだけども巧みに人の孤独感とか、本人がトラウマを克服してゆく様子とか、なぜかギャク交じりに語られる。
読めば読むほど深いというか、これがきっかけで本に手を出したものもあると私は告白します。

あとは時代がちょっと現在に近づいて6、7年前かなあ。久々に白泉社系作家さんを熱心に読みました。
マツモトトモ氏。「キス」。
絵柄もお洒落だし、話もなかなかひねりがあって面白い。
今出ている「美女が野獣」も寮のある高校が舞台。なかなか気楽に読めます。白泉社系で思い入れの深い作品はこんなところ。

あまりに長いので二つに分けましたが、それでも・・・長い。しかもまだ続く・・・。

中学生くらいになると、だんだん「りぼん」「なかよし」では飽き足らなくなってきます。その頃漫画好きな子達の間で話題になっていたのが「Lala」「花とゆめ」でしょうか。私はそのまま自分で買うのは別の雑誌系にいったので友達に借りまくってました。

「小山荘の嫌われ者」「月の子」「竜の眠る星」「エイリアン通り(ストリート)」「CIPHER」(以上LaLa))「僕の地球を守って」「動物のお医者さん」「空の食欲魔人 」「笑う大天使(ミカエル)」 (以上花ゆめ)などなど。

特に「エイリアン通り」と「CIPHER」を描いた成田美名子は好きで「エイリアン通り」ではやれシャールくんかっこいいとかいやセレムだろうとか、CIPHERではシヴァかサイファか(ひいてはロイかジェイクか)ぎゃあぎゃあ言いながら読んでましたねえ。

「エイリアンー」ではそれぞれ6話くらいで大きな話が完結するくくりになっていて、そのそれぞれの小題が、映画の邦題を捻ったものだった。「鷹は舞いおりた」「翼よあれが郷里[ロス]の灯だ」とか。この二つのエピソードはお気に入り。ああ、また読みたい。

「CIPHER」ではエイリアンーで描かれた主題の一つ「自分は何者であるか」「人に必要とされる人間なのか」といった自我やアイデンティティを模索する姿が恋愛や家族に絡めて大きく描かれていて、読んでいた年齢とピッタリリンクした記憶があります。

その後のALEXANDRITEや、NATURALは未読ですが、それはこちらが思春期とかそういう時期を抜けちゃったせいかもしれないし、この漫画家さんが思春期および青春期の人間的成長を描くことにより主眼を移してしまって、漫画の内容がリアルに響かなくなっちゃったんですよね。

あとは清水玲子が好きなので「竜の眠る星」は今でも読み返したい。これは高校時代にも部室でなきながら読んだ(笑)

「月の子」は実は途中で読むのをやめてしまい、結末をよく知らないのです・・・。
今連載中の「輝夜姫」も途中まで立ち読みしていましたが、どーも15巻超えるような漫画はなかなか完読出来ません。

同じ理由で「僕の地球を守って」(通称ぼくたま)も最後を知らない・・・。あとキャラクターのリンくんという小学生があまり好きではなかったのも原因かも。前世の記憶を持った生まれ変わり達の話だったのですが、話が佳境に入ったあたりで読まなくなったのであの広がった風呂敷をどう畳んだのか想像もつかない。
これは高校時代に確かイメージCDが出て、聴いた記憶があります。今言うと癒し系な音楽だったような・・・。辛島美登里さんのような感じの歌声の曲もあった。

まあそんなこんなでご贔屓・清水玲子氏は、、短編の方が好きで短編は一時ほとんど持ってました。ちょっとオカルトやSFが入った不思議な設定と生命倫理とかが絡むような展開が多くてそこが魅力。今たまに単行本がでる「秘密−トップシークレット」はかなり名作だと私は思います。人の脳の記憶を映像として再現できるようになった近未来。殺された人間が最後に観たものを探ることで犯人を逮捕しようという世の中。ただ、映像に現れる人は「脳」がみた記憶なので、その人の想いを反映している。自分の娘は実際よりも愛らしくみえていたり、恋した相手はものすごく輝いて見えたりしている。そういう個人的な想い(=秘密)に隠された事実とは。
と書きつつ2巻をまだよく読んでいない。買ってこようかしらん。

では、5に続く。


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